一定期間で一定レベル迄育てる人財育成マニュアル
誰でも一定レベル迄成長させる人財育成マニュアルを策定して、新人の育成を図っていく。人財を育てる為の人財育成マニュアルを実践すれば会社は必ず儲かるようになる。『教育という投資』は基本的に儲かるものである。
■学ぶ姿勢と学び方
人財育成マニュアルを作成する事は、成長しやすい環境を整える事である。しかし、本人の『学ぶ姿勢』次第でその成長度合いは変わる事を新人に認識させる。基本は現場教育である。しかも現業をやりながら育つ事には変わりない。
あくまでも育つスピードを上げる、育たない確率を減らす為に人財育成マニュアルがある。人財育成マニュアルがあるから、『教育されて育つ』発想ではなく、『新人社員自らが自らを鍛えてゆく』という考え方を理解させる。そのマニュアルを具体化させるので、期間毎(
1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月・12ヶ月)に知る・理解する・出来るレベルの仕事を設定する事する事です。一定期間でどの仕事をどのレベルで出来るようになるか、その目安を設定する。段階的な期間毎にカリキュラムを用意し、その出来るレベルにモノサシを用意し、育てていく
■教える側の標準化
育てる力は職場の上司、メンバーの問題である。基本的には育てる力とは現場での教育が中心になる。
だからこそ『教える側の標準化』が最重要テーマとなる。この育てる力を『人に頼る』発想を持つと上手くいかない。Aさんは教えるのが好きで上手い、しかしBさんは教えない。入社した人には逆指名権は無いわけで、AさんとBさんの教え方、教える内容が違ってはいけない。その為には教える側の標準化を図る。標準化とは教える側の内容、教え方、教える時期等を明確にする事である。その内容を人財育成マニュアルのカリキュラムとし、人財育成を行う事である。
■教育する者の姿勢と学ばせ方
社員が明確に教える側の立場に立つ事は初めてのケースが多い。
当然だが、『教えるから偉い』のではない。あくまでも役割であるので勘違いしてはいけない。教える事はその内容を理解し、実践出来ないと教える事は難しい。その為には自分の入社から現在に至る過程を振り返り、整理する必要がある。だから教える側が最大の勉強になる。
■ブラザー・シスター制度
ブラザー制度とは、新人に対し親身になって相談にのり、教育を推進していく担当者制度である。新人1人に対し、教える責任協力者を1人つくる事である。新人に仕事の中身だけではなく、『会社内の暗黙の了解事項』『それ以外の悩み事や人間関係の相談など』をお兄さん的存在で対処して頂くものである。且つ、新人の出社時の様子の確認、変化の素早いチェックを行う。確かに部署全体で見ればと思われるが、全体で見ようとするから観れないのである。このブラザーに選ばれた人は、幹部・役員とその人が入社する前から打ち合わせを繰り返し、問題点があれば幹部・役員に相談する。このブラザーに選ばれる事は、会社の次代を担う社員として期待されている。 ブラザーは、ある一定期間の教育期間が終了する迄、責任をもち、自らも良く啓発していく。基本教育マニュアルは新人に持たせるが、ブラザーもその新人用のマニュアルを保持し、常に見直し、行動していく。
■新人育成のカリキュラム
新しい人が入社し、1週間、1カ月、2カ月等で、何を覚えなければならないのかをカリキュラム化する。このカリキュラムには全社共通パターンと各部署単位パターンの2種類がある。先ずは全社共通パターンから始める。
その内容は
A.修得能力
B.修得時期
C.必要知識
D.必要技術
E.勉強ツール
F.勉強方法に分け作成する。
この勉強ツールは現在会社内にあるものをベースにし、新しく作成する事は極力しない。
そしてその勉強方法であるが、何でもブラザーが行うわけではない。
ブラザーはこのカリキュラムを実施したか、その修得状況はどうかを確認、推進する役割である。
例えば社長の役割もあるが、時間が取れなければ動画で作成するなりの工夫をすればよい。
この育成カリキュラムの作成方法は、その会社で『仕事が出来る人のやり方』『業績が良いマネージャーの人育ての方法・教え方』を中心に当事者達で作成する。
つまりその会社の『最強モデル』をべースにする。この要領で作成するので、内容を無視して、自己流でやっても時間ばかりかかり、成果は出ない。
『人が足りから大変だ』、『人が育たないから業績が向上しない』と反省弁は良く聞く。しかし不思議な事に業績の良いマネージャーの方が素直に育成カリキュラムを実践し、業績の悪いマネージャが独自でやろうとする。一時が万事である。
■新入社員育成のすすめ方
ブラザー・シスターは、新人が一日も早く会社や業務になれ、一人前の戦力として働けるようにする為のアドバイス役で、育成指導の一翼を担います。中小企業の要は人材である。何かの縁が有り、我社に入社して頂いた人であるので会社は育成する事に責任がある。
その一端をブラザー・シスターの方は担う訳ですので、非常にヤリガイのある仕事です。
どうか、新人が自立する為に自分の入社した時を思い起こして協力してください。事前にリーダーと新人の担当業務をどうするか?いつから何を担当し、いつ頃までに一人立ちさせるかについてキチンと話し合ってください。又、職場内の仕事における言動の統一を行う事も必要です。
先輩が、各自の言う事・する事がバラバラだと、新しい人は混乱するばかりです。職場のマニュアル・作業指示表に沿って、職場内の仕事における言動の統一を図る事に気を配ってください。その為にお世話係が責任を持って面倒をみて、毎日話しをしてあげてください。
新人の担当業務が決まったら、基本新人育成カリキュラムを把握すると共に、実務達成目標の区切り期間を参考に個別育成カリキュラムを立案し、リーダーに承認を得てください。また、新人にも、内容を確認してもらってください。新人も自分の仕事の予測がつく事で、今後に対する不安が解消されますので、自分の育成カリキュラムが出来ていれば、職場の一員としての自覚も生まれてきます。新人を迎える時には気を配りましょう。新人は緊張・不安でいっぱいです。