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2018年11月7日◆ ◆ マーケットシュアの捉え方変化 ◆ ◆

マーケットが無くなれば・・・

【これまでのシュアの見方】
 
■業界の伸びに注意
業界の成長を把握して、売上計画や実績をチェックします。
例えば、業界全体の需要の伸びが3%なのに、自社の売上成長計画を20%アップ
と設定しても、達成の具体策は厳しくなります。逆に、業界全体が10%伸びているのに、自社の売上成長計画を5%と設定しては、結果的にシェアダウンになってしまいます。
 
■エリアごとの特性に着目
エリアによって需要規模や伸び率が違う場合、その実績を正しく把握する必要があります。自社売上高の成長率が、エリア需要の成長率を上回っているかをチェックします。特に自社にとって重点としているエリアは、その動向を注視する事が重要です。
 
■ランク毎の得意先特性に着目
エリアの成長率だけを見るのではなく、顧客ランク毎の実績を確認する事も必要です。重点とするエリアと重点顧客は必ず一致するものではありません。エリア政策、顧客政策を具体的に立案し、対策を講じる事が求められます。
 
 
【今のシュアの見方】
 
■シュア対策が戦略
需要量(マーケットサイズ)が低下している現状で売上高を伸ばすには、マーケットシェアを拡大することが決め手となります。衰退産業の中でも業績を伸ばしている会社は、「シェアポジション」が高い。売上目標・計画を作る時に得意先の見方をシュアという数値を通してみると、見えてくるものが変化します。マーケットシュアから戦略を組み立てる時代です。中小企業のシュア発想は、大企業のシュア発想とは違います。大企業はマーケットサイズをベースに考えますが、中小企業のマ?ケットシェアを押さえる視点は該当マーケットで何番手に位置しているかで構いません。先ずは自社のポジションを押さえる事です。
 
〇全体で何番手なのか?
〇カテゴリー別で何番手なのか?
〇それは伸びているカテゴリー・減少しているカテゴリーのどちらか?
〇自社が得意なカテゴリーで何番手なのか?
〇伸ばして生きたいカテゴリーで何番手なのか?
〇どのカテゴリーを奪っていくのか?
 
そして、上の番手企業・下の番手企業への対策が戦略として生まれます。なぜなら、社会・業界・顧客・ライバル変化の動きを見るからである。売上高とシェアの基本関係は総売上高を構成する要素でみるとわかりやすい。
 
 
【これからのシュアの見方】
 
■技術革新がもたらすマーケット変化
マーケットを見る市場選択には、8つのパターンがあります。
詳細は http://www.m-a-n.biz/6-3-75.htmlの2012年12月2日 3つの市場と8つの市場選択パターンをご覧ください。
技術革新がもたらす変化に市場シフトがあります。これは従来の市場と違った市場へシフトするパターンです。最近では技術革新により、マーケットの見方を変えなければならない事例がでている。例えば、電子マネー。政府は来年度から給与や賞与を電子マネーで支給する事が出来ないかを検討している。もし電子マネーが加速度的に進めば、その影響は幅広く、多大に発生するだろう。銀行員はもちろん、ATMを製作している完成品メーカーや部品納入メーカー。又、紙幣をつくる様々な関連業者等。マーケットシュアとは既存マーケットがあるからシュアというモノサシの見方ができるが、マーケットが無くなればシュアそのものの意味がなくなる。
 
                                                                                   
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◆ 今回のまとめ ◆
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マーケットの変化が激しい。技術革新がもたらす変化、社会構造変化がもたらす変化等。その変化を見るポイントは顧客の先の顧客の変化を押さえる事にあります。
 
ご参考にしてください。

                            以上
                                                
                             マイスター・コンサルタンツ株式会社
                             代表主席コンサルタント 小池浩二
 

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