コラム

仕事の知恵袋

2018年5月13日◆ ◆ 儲ける経営の絶対的手段である経営計画書 ◆ ◆

儲かる内容の計画書を作らないから儲からない・・・

■方針の必然性
創業当初には、獣道をつくりは走り、見つけては走って行く。業績が安定期に入りつつある状態になれば、企業規模も10人、30人と大きくなり、いつまでも獣道を走っていては道に迷ってしまう。そこで必要となるのが道標をつくり、獣道を整備する事であり、この道標をつくる事こそが“方針”であり、社長の仕事である。
成果となって表れる経営計画という目標を具現化するための指針となる道標が“方針”なのである。
 
■社長と方針と計画書
方針なき集団の計画には計画を立案した当事者の自己満足が多い。
それは何故か?
計画とは目に見えるものであり、方針とは目に見えないものであるからだ。方針とは、まるで生き物であるかの様に丁寧に水をやり、陽の光を当てなければすぐ枯れる。方針が真に“方針”と為るのは、根づかせ、そして血を通わせるからだ。血を通わせるとは「社員に対して常にそのことを訴え続け、浸透させること」である。
だから伸びている会社の社長はしつこい。これをやったか、あれをやったか、早くしろと、同じことを繰り返し言い続ける。基本的な事を当たり前に出来るように口やかましく言う。定着させる為には大事な事である。中小企業の社長はそういう面では疲れる。しかし、やらないと誰もやってくれない。例えば、中堅会社になると、社長が言わなくても、定着させる技術を持っている。それが経営企画室であったりする。その機能の存在が中小企業にはないから、経営部門の発想が必要となる。方針のある計画とは、喜びを醸し出すものであり、成長を助成するものであるが故、それをつくることは経営者の最大の仕事となる。
会社の成長原則から観ても、思い付きの経営から脱皮することが利益を叩き出して行くためのルールと基準づくりのスタートとなり、公開経営へ発展して行くためにも、方針という道標は絶対不可欠な条件となる。その道標を経営の要素・機能毎にまとめた羅針盤が、経営計画書である。
 
■経営計画書において最も重要なこと
A.企業の目的・目標を明確にすること
B.目標数値達成の為の商材戦略・戦術の立案
C.商材推進のために具体的計画の立案・周知徹底と役割分担の明確化
D.公開経営に基づく全員参画が基本
E.できばえの確認(全体・個)と軌道修正ができる仕掛けづくり
F.日常業務の中で使われる実践的な内容に焦点を絞ること
G.経営方針達成時の分配のルールを明確化することである。
 
経営計画書を作れば、即儲かるのかという疑念を抱いている経営者もいる。結論からいうと儲かる内容の計画書を作らないから儲からない。大半の会社には目標に対する差が必ずある。その差を埋める商いの材料がないと当然だが目標達成できない。この違いを理解する事が重要。計画書をつくり、発表会はやるが、計画書は翌年の発表会まで1年間、机の中に眠
っている会社がある。これでは意味がない。この繰り返しが続くと社員は足元を見る。とりあえず、これは1年間の儀式だから、発表会の時間だけ我慢しようと考える。そうすると、知恵を使わない集団になる。
だから、計画書は現場で毎月活用せざるを得ない内容でつくらないといけない。経営改善計画書は、経営の目的・目標そのものではなく、達成して行くための手段にしか過ぎないが、利益を叩き出せる経営態をつくるには絶対不可欠なものである。
                                                                                                 
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◆  今回のまとめ  ◆
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計画書をつくらない社長は経営者の仕事をしていないことになる
 
ご参考にしてください。                               
以上
 
 
                                       マイスター・コンサルタンツ株式会社
                 代表主席コンサルタント 小池浩二
 

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