コラム

仕事の知恵袋

2017年12月22日◆ ◆ 役割を終えた経営理念にはおさらば ◆ ◆

経営理念を見つめなおす必要性・・・

■経営理念の本質
 
日本における『使命感経営』の第一人者である松下幸之助氏は、事業経営の一番根本になるのは『正しい経営理念』であり、会社の存在理由・経営目的・経営方法についての『正しい経営理念』が根底にあってこそ、事業経営において大事な技術力・販売力・資金力・そして人がはじめて真に生かされてくるものだと確信していました。
経営理念が成分化されている会社、されていない会社あると思います。経営理念とは紙に書かれた文章だけでは、何にもならないのであって、それが一人一人の血肉になり、はじめて活かされます。その為にあらゆる機会に繰り返し、繰り返し、訴える必要性がある。
この繰り返しが 経営理念をベースにした経営です。この経営理念も時代の環境変化と共に役割を終えるケースがあり、役割を終えた経営理念にはおさらばをして、新しく経営理念を見つめなおす必要性があります。
 
■価値密着型経営への転換
                                                                                                               
中小企業は別名『地域密着型企業』ともいわれます。これはある特定の限定された地域内(市・県・地区)においての商売スタイルを意味するもの。我々ミクロ経済における中小企業の生きる術である『密着型企業スタイル』は過去も今日も将来も変わらない。それは人なし・ものなし・金なしのナイナイ尽くしの戦い方で生き抜く最大突破の戦術は『密着型』であるからです。では今後、何に『密着』 するかでありますが、それは『価値への密着』です。価値への密着とは、自社が生き抜く価値を明確に絞る事であり、その価値への密着が価値密着型経営の推進となります。中小企業の成長軌道は、顧客に合わせて成長する事が多かったし、それが中小企業の生き残る道でもあった。
しかしこの常道に変化がでている。市場の構造変化は企業にどのような価値に密着するのかを明確にする事を求めており、顧客に合わせすぎる密着では、売上高や利益率の確保できない。つまり、既存顧客合わせすぎ現象は、確実に会社の体力・魅力そして将来を蝕んでいく。よく理解していただきたいのが、顧客というマーケットは存在しない事です。顧客をセグメント・カテゴリー化するから、そこにマーケットという視点が生まれる。『自社の真の飯の種は何なのか?』、『自社にとって真にお付き合いしたいお客様とは誰なのか?』、『そのお客様は一体わが社に何を要求しているのか』を深考し、具体的な展開を図る事が、自社の生存につながります。戦略とは勝てる土俵を見つける事から始まります。自社の価値を認めてくれる顧客がいるマーケットを探し、選ぶ事であり、そして、そのマーケットから選ばれる存在になる事です。ターゲットを絞る事は、すなわち、「顧客を選ぶ」という事であり、
自社の価値を「最も高く」買ってくれる先に自社の商品・サービスを提供すべきで、そこに合わせて更に価値を高めていかなければならない。マーケッテイングは、顧客を選ぶ事であり、その選んだ顧客に「選ばれる存在」になる事です。その選ぶ基準は、自社の商品(製品・サービス)の付加価値を 理解し評価してくれる先です。会社を継続繁栄させる為に『自分は、自分達はこれで戦う、この道を進む』という道標、軸足を持つ事であります。経営理念の見直しを求められている会社が増えている。なぜなら、会社の構造を変えなければ生き残れない会社が増加している為です。理念を変える必然性は、会社が大きく変化する時にあります。
                                                                                                                      以上
 
 
                                                                                           マイスター・コンサルタンツ株式会社
                                                                                             代表主席コンサルタント 小池浩二

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