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2016年9月5日◆ ◆ 十で神童、十五で天才、二十過ぎれば只の人 ◆ ◆


A君は、20代では優秀社員だったが、・・・

 

■叱咤激励

『A君は、20代では優秀社員だったが、40代ではダメ社員だ』

『それは基本的な考え方・仕事のやり方が20代の時とまったく一緒で、世の中の環境激変に対して、あまりにも成長していないからだ』

これはある会社の経営者が21世紀型の古参幹部に叱咤激励された言葉である。

■40代は最も力を発揮する時期

40代は、実務面で最も力を発揮する時期であり、30代までに経験・学習した事が活かされ、リーダー、モデルとしてのあり方が期待される。

また、自分の業績だけではなく、全体(部門・会社)の業績責任が求められ、後進の指導・育成が大きな役割となる。

■十で神童、十五で天才、二十過ぎれば只の人

十歳で「神童」と称され、十五歳で「天才」と言われるような子供でも、【二十過ぎれば只の人】とは、成長するにつれ、ごく平凡な人間になってしまう事を意味する言葉である。

これを創業経営者の視点に置き換えると

◇神童A君に対する創業10年の経営者の視点

創業時から10年間苦楽を共によくやってくれた。A君は会社の宝だ。

◇天才A君に対する創業15年の経営者の視点

私自身も社長業の勉強をやり始め、会社も成長し始めたが、振り返ると幹部・社員との差が十分広がりすぎたものだ!

しかし、その中でもA君には、期待している。

◇只の人A君に対する創業20年の経営者の視点

会社は幾つもの事業部を立ち上げ、色々なタイプの社員が入社して成長してきた。

しかし創業時代からのメンバーであるA君はオールドエコノミーの仕事の方法しかできずに、完全に外部環境・社内内部の変化に対応できていない。

しかも、創業メンバーを盾にパワハラも起こしている。

このままでは、会社のガンになってしまう。

■創業型古参幹部がダメになるパターン

A君のタイプ(会社の創業メンバーで現在40~50代に多いパターン)がダメになる傾向は

●若くして、ある特定の範囲内で偉くなった

●各年齢毎の果たすべき役割に対応ができない

●急激な外部環境変化に対する危機感が乏しい

●≪○○さん=社長≫は自分の事を理解してくれるはずとする甘えの4点が共通している

■才能とは、同じ情熱、気力、モチベーションを持続すること

下記の言葉は、将棋の羽生善治名人が語ったもの。

『以前、私は、才能は一瞬のきらめきだと思っていた。

しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。

報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。』

つまり、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられる事には、素直さが必然であり、その素直さは【自己の弱さを認める謙虚さ】がベースとなる。


 
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